今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第120回
少しずつ臆病なお金が動き始めている

もう5年も前の話になりますが
1998年4月1日は
日本版の「金融ビッグバン」がスタートした日です。
海外との資本移動を自由化するように外為法が改正され、
個人が海外で自由に預金口座を開けるようになりました。

海外に銀行口座や証券口座を開設すれば、
国内からの投資も多様化します。
それまで国内の証券会社が取り次いでいた株式や投資信託など、
日本で発売していない金融商品も買えるからです。

当時は、
「コンビニエンスストアで外貨の両替が出来るようになる」とか
「お金が海外へ出稼ぎに行く」
とか、いろいろ話題になりましたが、
しかし個人投資家レベルでは
思ったほどの劇的な変化は起きませんでした。

それでも、個人の外貨建て資産への投資は少しずつ増えていき、
2002年6月個人の残高は13兆7000億円で
その後も残高が増えるスピードは増しているようです。

これは個人金融資産のたった1%に過ぎないのですが
個人金融資産の1400兆円は
簡単に外貨に変えられない資産で成り立っていると推測されます。
保守的な高齢者は外貨を好まない人が多いでしょうし、
30〜40代の人は
まだまだ子どもや家のローンなど物入りが多いのです。
いつ必要か、いくら必要か、
わかっているお金は冒険しにくいものです。

経済全般では「市場の粘性」という言葉があり、
取引条件に変化が起きても
しばらくは従来の取引が続く場合は多くあります。
金融界は特にこれが大きく、目に見えて動くまでに5年、
本格的に動くまでに10年といわれています。

           
欧州などは陸続きですから、隣国などの通貨は身近な存在です。
外貨とお付き合いすることを
日本人ほどには冒険とは思っていません。
自国通貨が不利とか、
他国に有利な通貨があると判断されれば
すぐにお金が国境を越えて出稼ぎに行きます。
日本は島国ですから、まだまだ大陸の国と同じ動きはしません。
それでも変化は始まっています。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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