第46回
アジア調査徒然話:コンドミニアム
バンコックのワールドトレードセンターの近くで
知り合いの日本人に偶然に出会って立ち話をしました。
最近、この近所に
コンドミニアム(マンション)を買って
日本人に貸したとのこと。
なんでも45平米のマンションで
280万バーツ(約800万円)で購入し
月に3万バーツ(約8.5万円)で貸せたとのことです。
それなら10年も経たずに元が取れてしまいます。
興味を持ってさらに聞きました。
彼女はタイが大好きで
将来は住もうとマンションを買ったものの、
今は日本で仕事を持ち
そう度々はこちらに来られません。
そこで賃貸に出そうと考えたそうです。
うまく日本企業への法人貸しで
契約を済ませられたとのこと。
先方は3万バーツまでは会社負担なので
値引き交渉も無かったということです。
話をよく聞いて驚いたのは、
コンドミニアムの建っている土地は
タイ王室の物であることです。
24年後かそこらには
返さなければならないということでした。
そう言えば、このあたりは
近くのチュラロンコーン大学の敷地を始め
ほとんどが王室の土地です。
返すべきその時が来たら、
きっと更新措置が取られるのでしょうが
「返さなければならない」と言われると
なぜか、ギクリとしてしまいます。
「みんな、10年・20年後のことなど
なんとかなると思っているから」
「何年か住んで、飽きたら売ればいいのよ」
とあっさり語る彼女の考えは正しいのでしょう。
払ったお金と使用価値とでは
ちゃんとペイはするのですが、
将来返すのか更新するのか
はっきりとはわからない
マンションの話には、
私はその曖昧さに困惑してしまいました。
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