“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第673回
桜と魚と鴨と日本酒

まずは、宗玄山田錦で乾杯。
そして、「しみづ」「久」の酒肴。
丸いプラスティックの容器に入れてある。
野外で食べやすいようにという配慮が嬉しい。

まずは、貝類の黄身酢和え。
鳥貝、ミル貝、白アスパラ、葱などが入っていて、
口開けの酒肴に最適。
宗玄が進む。
桜は目の前まで木の枝が垂れていて、
街灯に向こうから照らされた桜の花が、
漆黒の闇のなかに白く浮き上がり、幻想的な世界を演じている。

続いて、鮪。
周りを炙っていて、サイコロ状に食べやすくしてある。
ほどよい酸味。ビーフンの海胆和えがまた、
ちょっとピリ辛で、食欲を刺激する。
さらに、アナゴが秀逸。
こちらは木の芽が添えてあって、
山椒の香りが、アナゴの旨みを引き出している。

夕方、酒肴とバラチラシをとりに、
新橋「しみづ」を訪問したときには、
「ちょっと作りすぎてすみません」と謝られた。
確かに色々な種類がある。
後日聞いた話では、
普段はこのような酒肴をあまり作らないので、
作っているうちに面白くなって、
気がついたらたくさんできていたとのこと。
謝られるどころか、もちろん大歓迎で感謝。
そして、煮蛤も甘みが乗っていて、とても美味。
それに、コハダの酢〆の塩梅がとてもよく、宗玄に本当に合う。

そろそろ、バラチラシにとりかかる。
こちらは、イクラ、アナゴ、コハダなどが散りばめてある。
酢飯と具の絶妙のバランスに、さらに宗玄が進む。
魚を食べ進んでから、自家製カラスミを焼く。
昨年作ったものを真空パックして、冷凍保存しておいたもの。
ちょっとしたアクセントになる。

次に鴨にとりかかる。
まずは、酒肴の定番となった、合鴨燻製。
携帯俎板に乗せて、ペティナイフで切って、
野外用コンロで鉄板焼きにする。
この鉄板は西崎ファームの西崎社長が考案したもので、
8ミリメーターくらいの厚みのある鉄板を、
叩いて凹状にした鍛造品。
凹面により、肉が熱に包まれるように焼かれて、旨くなる。
秋鹿山廃純米大吟醸を瓶ごと燗にして、鴨に合わせる。
その酸の切れ上がりが、合鴨燻製の脂をスパッと切ってくれて、
旨みだけが口に残る。
さらに、バルバリ鴨の胸肉を焼き、
コンフィの真空パックを湯通ししていただく。
まさに、至福の夜桜宴会だった。


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2007年4月4日(水)

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