第619回
正月料理の仕入れと仕込み
毎年、年末は正月の料理の準備で、
旬の魚介類、野菜などを取り寄せている。
今年も親戚の集まりと、大学時代のバンドの集まりと
2日間にわたる宴会の準備が必要だった。
ところが今回の正月用の魚の仕入れは苦労した。
年末は「世界一旨い日本酒の会」を
2日間開催したこともあって、
その後の正月用の魚介類の手配がおろそかになっていた。
さらに、全国的に天気が悪く、海が荒れていた。
小樽の三角市場に電話したところ、
近海の漁は出られないので、魚が入ってこないという。
タラ、鮟鱇の類も漁は終わりとのこと。
鳴門の村公一さんに連絡しても、
やはり海がここ3日荒れていて、漁はムリという返事。
仕方が無いので、
知り合いの鮨屋に築地でとってもらうことにした。
築地もいいものは年末にはほとんど無くなっていて、
数が限られているようだったが、
なんとか明石の平目を確保してもらった。
ということで、仕入れた魚介類は、天然平目2尾。
江戸前の活けの蛸、コハダ15尾、スミイカ4ハイ
といったところになった。
これに、下仁田葱、聖護院蕪。
さらに、小樽からイクラ、数の子。
そして、西崎ファームのバルバリー鴨、合鴨燻製
といったラインナップになった。
平目にスミイカは捌くのは慣れている。
しかし、蛸とコハダは初めてだった。
蛸は以前森戸海岸の蛸壺漁師の矢嶋四郎さんの
見事な捌き方を見ているので、それを真似した。
まず胴を裏返しにして内臓を取る。
そして、ヌメリをとる。
塩で洗う方法もあるが、今回は大根おろしをつかってみた。
蛸の足をなんども力を入れて洗う。
しばらくすると水が黒くなってくるので、流水で洗い流す。
綺麗になるまでに、結構な時間がかかった。
そして、お湯を沸かし、
酢と酒と醤油を少し入れて、蛸を茹でる。
蛸はあらかじめ足の付け根の一箇所に包丁を入れておく。
こうすることで、蛸の足が綺麗に丸く茹で上がる。
茹でるときには、蛸の足の先をまず沸騰している湯につけ、
だんだんと、湯につけていく。
蛸はだんだんと綺麗な真紅の色になってきて出来上がり。
そうしている間に、コハダを〆る作業をする。
これが結構手間がかかった。
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