第617回
タラの昆布〆の旨さを再認識
前菜で三浦大根のスティックを
ヨーグルト味噌のディップで提供。
さらに、イクラの聖護院蕪おろし和え、聖護院蕪のサラダ、
温泉玉子、茄子の煮浸しなどを出しながら、
参加者と乾杯。
最初は開運の今年の造りの無濾過純米生原酒。
前菜はいずれも大好評だった。
そして、タラの昆布〆を冷蔵庫から出して、
柳刃で切って盛り付ける。
これが実に極上の旨さがあった。
実はタラの昆布〆の旨さを知ったのは、結婚直後のこと。
海外と国内と二度新婚旅行に行ったが、
国内では義父の単身赴任している石川県を訪問し、
そこの単身赴任寮の管理人のおばさんが作った
タラの昆布〆が絶品だった。
富山県、石川県ではタラの昆布〆は伝統的な食文化らしく、
2日から3日も〆ておいて、
昆布の旨みがタラに十分移るようにする。
それを真似して、
自宅でもよくタラに限らず昆布〆をやってみていた。
今回は午後に捌いて夜に提供するので、
〆た時間は5時間程度。
浅い漬かりかたかと思っていたら、
結構昆布の味がバランスよくタラの身に浸みついて、
とてもいい味わいになっていた。
あらためて、タラの昆布〆の旨さを再認識した。
そのタラの昆布〆を、
土鍋にタラのアラで取っておいた出汁を使って
シャブシャブにする。
冷たい状態よりも、さらに旨みがでてくる。
昆布だけではなく、タラの出汁なので、
シャブシャブで旨みがさらに凝縮される。
その汁でさらに、白子と真子を入れて、
野菜も加えて鍋仕立てにする。
こちらも、タラの出汁が白子と真子にからみつき、
たまらない味わいとなっている。
途中で、豆腐の味噌漬けを、
フランスパンか三浦大根に塗って、
カナッペにして食べていただく。
これも最高の酒肴となる。
最後がタラコで焼きおにぎりをつくる。
このタラコはマダラの子ではなく、スケトウダラの子。
そのおにぎりをタラの鍋の汁にジュっと入れていただく。
焼きおにぎりの香ばしさが汁に移り、
出汁の旨みがおにぎりに絡む。
それを箸で崩しながら食べると、
最後を締めるにふさわしい旨さ。
デザートは、栃木県都賀の刑部苺農園の栃乙女。
寒くなって随分甘みがでてきている。
2日にわたって終了は深夜となってしまったが、
参加者の方々にはとても満足していただいて、
こちらも開催した甲斐のある宴会であった。
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