“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第578回
あらいファームの真面目さ

鶏の飼い方は、
鶏を仕切られたカゴのなかで飼う「ケージ飼い」、
その鶏舎に窓がない「ウィンドレス」、
カゴに入れずに鶏舎の床で飼う「平飼い」、
広い野外の敷地の中で鶏を自由に生活させる「放し飼い」
といろいろな飼い方がある。

大きい養鶏場はほとんどがケージ飼で、
10万羽を超えるウィンドレスも鶏舎も現れている。
これらの大規模農場では効率向上と衛生維持のために、
コンピュータで室温、湿度、明るさ、水、飼料の
管理を行っている。
鶏たちに昼の時間を長く感じさせるために、
照明を夜でもつけて卵を産ませるところも多い。

あらいファームは「放し飼い」。
烏骨鶏が500羽、アローカナが100羽、黒鶏が100羽
といった構成になっている。
オスとメスの割合は2:10となっている。
つまり、オスは平均5匹のメスを相手にするわけだ。
うらやましいと見るか、大変と見るか、
意見の分かれるところだろう。

烏骨鶏はとても綺麗な白い羽毛で覆われていて、
まさに天から降りてきたかのよう。
アローカナは茶色、
黒鶏は文字通り黒ベースの羽毛に白のまだら模様。
入り乱れて、餌をつついている。
いずれも、オスはトサカがあり、身体が大きい。
特に大きいオスがグループのボスになっているそうだ。
ヒヨコで飼い始めて、5ヶ月から6ヶ月で親鶏となって、
卵を産み始める。
ところが烏骨鶏は繁殖期にしか卵を産まず、
年間でも40から50個程度。
普通の鶏は年間に250個から300個も卵を産むので、
産卵率は5分の1以下だ。
このような効率の悪い飼育だからこそ、いい卵ができる。
それで、500羽いながら、
1日に取れる烏骨鶏の卵は僅かに30個から100個程度。
アローカナも100羽の鶏に対して30個から50個。
黒鶏も二日に一度しか卵を産まない。

あらいファームの卵はどの鶏のものも、
濃密でしっかりと黄身の張りがある。
黄身の色は綺麗な黄色。
なお、気味の色がオレンジ色の卵が最近よくでていて、
高級そうに見えるが、あれは餌の調整で色が変わる。
赤ピーマンなどを飼料に混ぜれば、黄身の色は濃くなる。
あらいファームではそのような人工的な調整は一切しない。
自然の恵みを受けた美味しさが感じられる卵だ。
購入依頼が殺到しているのがよく分かる。


←前回記事へ

2006年11月15日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ