“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第529回
人気店「鼎泰豊」本店で極上小籠包

「鼎泰豊」(ティンタイフォン)といえば、
日本でも高島屋に入っていて、
いつでも行列ができている小籠包の名店。
日本では訪問したことが無かったが、
せっかくなので台北の本店に行く機会をわざわざ設けた。

国際シンポジウムの昼食は
圓山大飯店のレストランで準備はされているのだが、
この昼休みの時間を使ってタクシーで信義路2段まで往復した。
11時少し前に到着。
店にはすで現地の人が何人かならんでいる。
ためしに、入り口で4人と指で合図したら、
「3階へどうぞ」と日本語で通された。
ラッキーではあったが、並んでいた人たちはなんだったのだろう?

サービスが素晴らしい。
飾りがなく簡潔。
客に美味しく食べてもらうために必要なことを
店員一人ひとりが理解している。
昔の日本はこんなサービスが多かったのだろうけど、
いまではあまり見ない。
席についたら、その横にキャンバス地の荷物入れを設置し、
そこに手荷物を入れてくれる。
早速、台湾ビールで乾杯。
つまみはキャベツの酢漬け。
これが疲れた身体にやさしく旨い。
若い女の子が日本語で説明してくれる。
ここは初めてといったら、
小籠包を食べにきたなら、まずはメニューのなかで、
どこから選ぶのがいいかサジェスションをもらう。
普通の小籠包と海老入りを注文。
さらに、野菜と豚肉の餃子。
加えて、鶏のスープに海老チャーハン。
スープを何人前頼むか相談していたら、
とりあえず一つ頼んで味見してからまた追加すればいいのではと、
さっきの女性がまたリコメンドしてくれる。

で、小籠包だが、
テーブルの上に日本語で食べ方が書いてある紙が置いてあり、
店員も日本語で教えてくれる。
生姜の入った小皿に酢醤油を入れて、そこに箸で小籠包を漬け、
レンゲの上に乗せ、千切り生姜を少し上に置いて口へもっていく。
噛むと熱々の汁が溢れてくる。
この瞬間こそ、小籠包の醍醐味。
すばらしい綺麗で旨みたっぷりの味。
その後、なかの具と皮と一緒に食べて、満足度がさらに上がる。

餃子も旨かったし、
なんといっても、感動したのは海老チャーハン。
ふわっとご飯が炒めてあって、
雲の上の天使がご飯のなかに集められているよう。
味付けも薄塩味でとても快適。
そこに海老の甘さが重なり、フィナーレを向かえる。
鶏スープも美味しかったし、とても満足できた。

鼎泰豊は超人気店になりながら、レベルは高い。
これだけの味とサービスを維持するには
相当な努力をしているに違いない。


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2006年9月7日(木)

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