“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第492回
海胆の旬と蝦夷鮑の関係

蝦夷鮑が久しぶりに食べたくなり、
小樽の三角市場に電話してみた。
最近知り合った渋谷の女性企業家の会社には台所があり、
美味しいものの会は大歓迎ということで、
鮑の肝焼きを中心とした会を開こうと考えたからだ。

ところが、鮑は今の時季は品薄で価格も高いという。
夏が旬の鮑がその時季に何故品薄なのか、
しばらく理解できないでいたら、
日本海側の海胆が旬を迎えているためという。
つまり、鮑を獲る漁師がこの時季は海胆を取りに行くために、
鮑には手がまわらないということだった。
蝦夷鮑は9月になって海胆が終わると漁師たちが獲りはじめて、
たくさん出回るようだ。
その時季ならお勧めという。

小樽の海胆はいま最盛期。
そして、そろそろ利尻・礼文の島の鮑が
入りだしてきているらしい。
小樽のほうが海水温度が高いので
半月程度出るのが早いようだ。
確かに鮑は少しくらい時季がずれても
旨みが目覚しく変わることはないが、
海胆は時季の違いで旨さが随分違ってくる。
旬の馬糞海胆はとろけるような甘みがあって、
塩の香りに溶け合っていて、本当に旨い。
150gくらいの一箱がだいたい3500円〜4000円程度だが、
この半分くらいを丼のご飯の上に敷いて、
醤油を回しかけて豪快に食べる海胆丼は、
自宅でも簡単に作れて、旬の海胆を満喫できる。

海胆も目玉の一つとして、他にこの時季の食材を聴いてみた。
期待していた八角は夏の時季は少なく、
鰈も安定して入るわけではないようだ。
蟹はこの時季はなかなかいいという。
特に毛蟹とタラバ。
タラバはこの季節はメスが卵を持っていて、
それを皆でつっつくのがお勧めという。
あとは、刺身なら小樽の前浜で獲れる朝イカかボタン海老。

最初の思惑ははずれたが、
いろいろと食材の選択肢があり、
愉しい小樽直送の食材を中心とした宴会になりそうだ。


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2006年7月18日(火)

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