|  第472回梅雨に美味しい発泡日本酒
 関東も梅雨に突入してジメジメした日が続いている。例年、この時季には梅酒を漬けたり、梅干を作っていたが、
 今年は本業と副業ともに仕事が溜まっていて、
 作業をする余裕がないのが残念だ。
 講演やセミナー講師、雑誌原稿執筆の依頼、それに大学の教育・研究の日常業務、
 さらに、栃木県での椎茸、野菜、
 蕎麦栽培活動などといったところで
 結構手一杯な状態となっている。
 しかし、そろそろ夏の美味しい食材が旬を迎えるので、
 いろいろなところから食材を取り寄せて愉しみたいところだ。
 さて、この蒸し暑くなる時季に飲む酒として、ビールやシャンパンなどもいいが、
 和食に合わせるには発泡日本酒がいい。
 この発泡日本酒はいろいろな蔵元が製造している。
 滓をからめて、瓶内発酵をさせて発泡性を持たせるが、
 その年の造りによって、
 発泡性も強くなったり弱くなったりするのが面白い。
 例えば、神亀酒造の「純米上澄」、「かるくいっぱい」、
 刈穂「活性純米酒六舟」、諏訪泉「うすにごり」、
 秋鹿「霙もよう」など、
 適度なコクと発泡性のさわやかさをあわせ持っていて、
 初夏の旬の魚介類によくあう。
 これらの日本酒を開栓するときには、要注意だ。特に1升瓶の場合には、瓶内圧力が高くなるので、
 開けたとたんに爆発したように中身が吹きだして、
 酒のほとんどがなくなってしまうこともある。
 4号瓶のようにスクリューキャップであれば、
 少しづつゆるめたり、閉めたりして調整ができるのだが、
 1升瓶のように蓋をゆるい圧力で押し付けるタイプは、
 ちょっと油断すると蓋が吹っ飛んでしまう。
 徐々に圧力を下げるように、丁寧に開栓することが必要だ。
 開栓までにはちょっと時間がかかるが、それも飲むための愉しみ。
 暑気払いに発泡日本酒を飲み、
 初夏の旬の味に合わせることは、最高の贅沢といえる。
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