“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第422回
椎茸の原木栽培で5年間は愉しめる

原木は5月下旬に立てたあとは、
8月下旬頃には上下を逆に置き換える。
これは、上の方が乾燥し易いので、
途中で逆にして全体を均一になるようにするため。
最後に椎茸が発生する3月中旬の直前に、
また原木の上下を逆にすると、
そのショックで椎茸が出やすくなるという。
その頃水に漬けるのも、いいそうだ。

このようにして置いて、
椎茸の菌糸がだんだん種コマから伸びてきて、
原木の表面を覆いつくすようになるらしい。
気をつけなければいけないのは、雑菌の繁殖。
皮の剥けた原木は雑菌に犯されやすいので使用しない。
他の菌との競争に椎茸菌が勝つことが重要であり、
何か日本酒の造りに似ている。
椎茸が発生するのは、来年の3月中旬頃。
そして、みるみる大きくなるらしい。
原木栽培では相当大きな傘の椎茸になるらしいので愉しみだ。

一度椎茸が発生してからは、
春と秋ごとに、椎茸がでてきて、それが5〜6年は続く。
3年目くらいからは、勢いがなくなるので、
その頃に原木を補充すれば長く続けて愉しめるとのこと。
椎茸の原木栽培は手間がかかり過ぎて、
菌床栽培にかわりつつあると言われているが、
それほどの手間ではなく、一度、原木を準備してしまえば、
何年間も椎茸を生産できる。

これが何故廃れつつあるかというと、
農家はせっかく原木栽培を行っても、
消費者が高い代金で買ってくれないから。
馬頭でも昔は椎茸の原木栽培は盛んであったが、
いまでは数軒の農家が行っているだけという。
なんとももったいないことだ。
しかも、中国などから安い椎茸が入ってきていることも、
国産の原木栽培椎茸が売れなくなる原因となっている。
しかし、中国ではどんな原木を用いているかが
消費者には分からない。
また、米糠などを栄養に用いている場合もあるらしい。
そうすると、米が農薬を使ったものだと、
椎茸にも農薬が含まれる可能性もある。

日本の消費者が国産の原木栽培の椎茸の味を理解して、
今後、原木栽培が復活してほしいと実感した。
来年はやることが無いかと思っていたら、
Tさんに、ナメコと平茸も栽培してみたらと提案をされた。
ナメコは桜の木を使うらしい。
Tさんの山には大きな桜の木があり、
それを切っておいてくれるという。
しばらくは、馬頭でいろいろな農業を愉しみながら、
実質的な美味しい食材の確保ができそうだ。


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2006年4月11日(火)

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