“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第331回
極上の食材のレストラン

最近フレンチにはあまり行く気がしない。
どこのレストランも洒落た料理を出すが、
何か個性に欠けているからだ。
いい食材を使いながら味をいじりすぎたり、
必然性のない調理をしたりする。
食材もどうかと思われるところも多い。
グルメ雑誌などで新たに紹介されたレストランに行っても、
期待はずれに終わると、
せっかく美味しいものを食べようという意気込みが空振りして
悔しくなる。

そんななかで、結構頻繁に通っている店が2店ある。
一つは新大久保の頑なにメディアに掲載されることを
拒否している店。
ここは、グルメ雑誌はもちろん、
食べ歩きブログマニアが名前をだしただけでも、
抗議をして削除させている。
一度だけ、マッキー牧元さんをお連れして、
週刊誌に電話と住所を伏せて紹介されてしまったことがあるが、
それを知った店主は厳重に抗議をしたそうだ。

もう1軒の店が神楽坂にある。
これまで店の名前を伏せていたが、
店主から露出を承諾してもらったので、
今回は店名つきで紹介したい。
『レ・ブランドウ』という名前で、
東西線「神楽坂」駅の近くの路地裏にある。
店主の磯さんは食材にこだわり、
鳴門のカリスマ漁師の村公一君の鱸(すずき)や、
40年も前から無農薬栽培をてがける
群馬の農家の野菜などを取り寄せている。
フレンチとイタリアンを融合した調理法で
食材の美味しさを最大限引き出すことに努力している。

ワインは磯さんの目に適ったものばかりで、
有名銘柄はあまり置いていない。
磯さんはフランスでワインのサービスをした経験もあり、
実質的な美味しいワインを料理に合わせて提供してくれる。
晩秋から初冬はジビエも食べられる。
今回は、最近オープンした自宅の近くのピッツェリアのシェフが
勉強したいというので同行し、
『レ・ブランドウ』の料理とワインを堪能した。

店内はシンプルだが居心地がいい。
華美なインテリアが好きな人には向いていないであろう。
また、化学調味料や添加物で育ったような、
インパクトだけを評価するような客にも、
ここの食材のよさは分からないだろうから、いかないほうがいい。
5600円という手ごろな値段のコースもある。
しかし、今回は同行したシェフが
色々な食材の料理を勉強したいということで、
一番高い9000円のコースの
それぞれの料理にワインをお任せであわせてもらうことにした。


←前回記事へ

2005年12月5日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ