“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第289回
博多の美食はまだまだ続く

「お半」という凄い割烹に行った翌日は、
太田和彦さんのお勧めの居酒屋である「さきと」に
学生を連れていく。
九州はもちろん、全国の地酒が置いてある。
魚介類もこだわって仕入れている。
そんな店はいつも満席のようで、
我々は開店の午後6時に予約して入ったが、
20分もすれば十席ちょっとのカウンターは満席になっていた。

まずは刺身盛り合わせ。
鯛、アラ、鯖、スモークサーモン、ヤリイカが
綺麗に盛り付けられてでてきた。
佐賀の地酒である「東一」と合わせる。
いずれも、新鮮なだけでなく、旨みもたっぷりある刺身だった。

次が鯨の盛り合わせ。
コロ、サエズリ、尾の身、ベーコンなどなど、刺身で提供される。
これが全て個性豊かで、美味。
九州人はこんな旨いものを食べていたのかと、目から鱗。
そういえば、学生時代に博多出身の同級生から、
鯨を食べに渋谷に行こうと何回も誘われたが、
あまり興味がなく、一度も応じなかった。
あの頃に知っていれば、美食人生も変っていたのかもしれない。

日本酒は全国のもの、地元のものと充実。
神亀、東一などを堪能した。
1時間程度楽しんだが、
常連が満席と断られているのを見て、早々に退席。
学生がまだ飲みたがっていたのを、連れてホテルへ帰る。

途中でせっかくだから屋台を体験しようと、
天神交差点近くに並んでいる屋台の一つを訪問。
噂の焼きラーメンを注文した。
焼きソバも別メニューで書いてあるので、
焼きラーメンは違うもののようだなどと話をしていると、
屋台の中央にある鉄板で調理が始まった。
ラーメンは通常の麺を使用。
まずは具を炒めて、その上に麺を乗せ、
ラーメンの汁を上からかけて、
蒸し焼きのような感じで炒めている。
香ばしくて、庶民的な味。
博多の学生との最後の夜を飾るにふさわしい食べ物だった。


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2005年10月6日(木)

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