第220回
京都の美味
久しぶりで京都に出張に行った。
学会の基礎講習会の講師を務める役割であったが、
私の担当する講義は午後の遅い時間だったので、
ランチを京都で食べることにした。
京都も様々な料理屋があり、選択肢は多い。
大いに迷ったあげく、
錦市場の京野菜専門店「かね松」の二階で
野菜料理のコースが食べられることを思い出して、
そこに行くことにした。
初夏の京都は蒸し暑い。
地下鉄で四条駅で降りて、
錦市場の入り口に着いた頃には結構汗ばんでいた。
平日の昼間なのに結構観光客が多い。
魚屋では若狭鰈(かれい)や鱧(はも)などが並べられていた。
目的地のやお屋の「かね松」の入り口で、
ランチを食べに来た旨を告げると、すぐに二階に案内された。
奥の階段の上り口に下足箱が置いてあり、
番号順に靴を置いて、その番号札を持って二階にあがる。
二階は座敷に低いテーブルが並べてあって、
低い背の椅子に座っていただくようになっている。
メニューは一種類のみ。
2000円に消費税がかかる。
本日のお献立
揚げ物 |
アナスタシア詰揚げ 大葉香り揚げ |
炊き物 |
さつま芋の炊いたん |
小鉢 |
蓮根と赤蒟蒻のキンピラ |
和え物 |
小松菜とエノキのおひたし |
汁者 |
白菜と椎茸の麦味噌汁 |
ご飯 |
新生姜ご飯 |
香物 |
本日の漬物と箸休め |
アナスタシアはピーマンの一種。
中にひろうすのような、
野菜を刻んだものを豆腐で和えたものが詰まっていて、
ピーマンの甘苦い味わいを豆腐味が和らげている。
さつま芋が秀逸。
芋の旨みがよくでている。
蓮根と赤蒟蒻はしっかりと濃い煮汁を表面にしみこませてあって、
快適。小松菜とエノキのおひたしは、
薄めの出汁と力強い小松菜の甘みがよくマッチしている。
いずれもシンプルな料理だが、
野菜自身の旨みをよく引き出している。
さすがに、やお屋の二階の食堂だ。
残念なのは、アルコール類を置いていないこと。
しかし、それでも余りある美味しさ。
野菜の旨さがよくわかる。
|