“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第76回
利き酒大会でいい点数をとるには?

利き酒といっても、色々ある。
目の前にある酒を味わって
その感想を述べるのも利き酒。
数種の酒を同時に味わって、
その違いを表現するのも利き酒。
さらに、利き酒コンテストとなると、
数種の酒を用意して、銘柄を隠して、
どの酒とどの酒が同じ銘柄か当てる、
という手のこんだものもになる。
また銘柄を隠して酒の順位をつけるものもある。
ワインだと産地を当てたり、
使っている葡萄を当てるというものもある。

日本酒の利き酒コンテストは
だいたい5銘柄くらいを
二つのグループ1〜5とA〜Eの両方に入れて、
それぞれのグループ間で
同じ酒の組み合わせを当てるやり方が多い。
日本酒は杜氏の造りによって個性が違うので、
さすがに蔵の位置する地方、
米の種類を当てることは
よっぽど知っている銘柄でなければほとんど不可能だ。

私の大学の研究室でも、
学生にこの目隠し利き酒コンテストを
試してみるイベントをよくやる。
研究室に常備している日本酒は
個性の強いものということもあって、
全部正解する学生が結構いる。
このあいだは6銘柄で行って、
14名中なんと7名が全問正解であった。

利き酒のこつは何か?
日本酒の場合はまず最初は色の違い、
上立ち香の違いだけを見て、味見は後にする。
これだけで、結構どの酒がどれと同じだか検討がつく。
次に、味見をするが、
少量を口に含んで、舌の上全体に広げる。
口から息を吸ってじゅるじゅると酒を口のなかでころがして、
含み香と味のバランスを確認する。

なるべく、第一印象で判断することが肝心で、
途中で同じものを何度も飲み比べたりしていると、
かえって舌が麻痺してわかりにくくなってくる。
最初の味見での感じ方を重要視することだ。
目隠しで利き酒をすると、味見の感度を高めるので、
酒の味わいを覚えやすい。


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