新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第79回
北京の交通事情はパンク寸前

北京の交通渋滞は日に日に凄まじいことになってきています。
聞く所によりますと、
北京市内で1日に新規登録される車の数は
1,000台以上になっており、
増えることはあっても、減ることは無さそうです。

ここ最近の渋滞は特に酷く、
空いていれば20分で着く距離に
2時間以上掛かることもあります。
急ピッチで地下鉄の拡張工事が進められていますが、
大方の予想を超える経済発展のスピードに、
さすがに力のある中国政府も
インフラの整備は全く追いついていません。

ついにはオリンピックに向けた実験という理由で、
8月中旬の数日間、北京市内の車両を、
ある日は奇数、翌日は偶数のナンバーといった具合に、
ナンバーで分けられる施策が急遽通達されました。
毎朝、5台の配送車で
パン・ケーキを30箇所以上に納品している当社としましては
大ピンチです。
とりあえずは、数日間だけ配送車をレンタルしたり、
納品先の協力を得て配送時間を調整するなどして凌ぎました。
しかし、これが毎日となった暁には
北京中が大混乱を起こすこと必至です。

どこかの国のように2台の車を所有する羽目になるのか、
はたまたナンバーを2種取得して
追加費用を負担するようなことになるのか、
いずれにしてもコスト増は避けられそうにもありません。
実施すれば短期的には
交通事情が少々緩和されるのだと思いますが、
ルールを守ることが得意でない中国の人々には
全く向いていない政策だと思います。
必ず抜け道ができたり、それを商売にする者が現れたり、
正直者がバカを見る結果となって、
民衆の不満から政策の見直しを迫られるにきまっています。

それよりも、キチッとした自動車の運転教習をした方が
渋滞緩和の効果はずっと上がるはずです。
交通マナーが悪い為に、
多くの交差点で信号を無視して
頭を突っ込んできた車が障害となり、
信号が青になっても前に進めないという現場に多々遭遇します。
当社の工場の近くの人気のない原っぱの中に、
なぜか巨大な駐車場があり、
いつも多くの人と車がいるのが不思議でした。
何十回もその光景を見ていてもわからなかったのですが、
つい最近、一緒に工場に行く車に同席した中国人が
あっさりと答えを教えてくれました。

「あ、あれは自動車の教習所ですよ」と。
本当に驚きました。
目を凝らしてよくよく見ると、
確かに駐車場と思っていた場所に
いくつもの“旗”が立っていました。
その旗の周りをグルグルと車が回っているだけです。
模擬の信号もなければ、横断歩道も見当たりません。
もし私が見たものがその教習所のすべてであるとしたら、
末恐ろしいことです。
手っ取り早いルールの強化より、
時間は掛かるかもしれませんが、
もっと教育に力をいれてほしいものです。


←前回記事へ

2007年8月28日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ