新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第43回
素人とプロを上手につかう

邱先生を傍らで見ていて気が付いた事ですが
“素人とプロ(専門家)を本当に上手く使っている”のです。
邱先生は著書やコラムの中でも、
素人を上手く使うことにより、
固定概念を極力排除した新たな展開が期待できるので、
特に目新しくない市場でも隙間を見つけて
上手く立ち回れる可能性が高いとおっしゃっています。

実際に邱グループの総経理をざっと見回しても、
現在の業務内容と過去の職歴が一致する方は、
私の知っている限りではいません。
例えば、
今は台湾の出版会社や書店の総経理をされている孫さんは、
元々は邱先生の中華レストランの
会計担当者だったと聞いています。

ある日、邱先生は
中華レストランの会計を担当していた孫さんに
「出版会社を設立するから君やってみないか」
とおっしゃったそうです。
慌てた孫さんが
「私は出版会社なんて全くわかりませんよ!」
と答えたところ、
「だから君にやってもらおうと思ったんだよ」
とおっしゃったそうです。
固定概念の無い“素人”を邱先生はあえて選ばれたのです。
その後、孫さんは出版会社を皮切りに経営者の道を歩まれ、
出版会社においては政治経済の分野に
相当な影響力を持つ程までに成功されました。

しかし、邱先生の本当に凄いところは、
この“素人を上手くつかう”の他に
“プロ(専門家)”も上手くつかってらっしゃるところです。
邱先生が新たなビジネスの仮説を思いつかれた時、
まず真っ先に起こされる行動は、
その道のプロ(専門家)を探すことです。
そして、専門家のどんな意見にも耳を傾けられます。
相手がどんなに若くても、また実績に乏しくても、
その道のプロであるならば、邱先生は対等に意見交換をされます。
常に実直に勉強をされようとする邱先生の姿勢には、
本当に頭が下がりますし勉強になります。
従いまして、
邱先生の行なわれるビジネスには
素人とプロを上手く融合させた形のものが多くあり、
今私が携わっているパン・ケーキ製造販売のビジネスも
その1つと言えます。
2年前の私は、醗酵器すら見たことがありませんでした。

どのような意見にも耳を傾け、
それぞれの長所を上手く引き出す。
それが邱先生のビジネスにおける定石の1つかもしれません。


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2007年6月5日(火)

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